
「良い姿勢」と聞くと、背筋を伸ばすことや胸を張ることをイメージしてしまっていませんか?
しかし、見た目がまっすぐであることと、身体が正しく機能していることは必ずしも同じではありません。
本当に大切なのは、身体に余計な力みがなく、必要な時に自由に動ける状態を作ることです。
今回は、良い立ち姿勢を作るために重要なポイントについて解説します。
良い姿勢の土台は「足元」と「重心」
立った姿勢を作る時、まず意識したいのが足元です。
足は身体を支える唯一の接地面であり、ここが不安定になると、その上にある膝・骨盤・背骨にも影響が出ます。
ポイントは、つま先を開いて安定させようとするのではなく、足の向きは自然にまっすぐにした状態で、身体の真下に重心を置くこと。
特に重要なのが「踵に体重が乗っているか」という点です。
多くの人は、立っている時に無意識につま先側へ体重が移っています。
また最近よく目にするような靴は、歩くとき自然と前に身体が進みやすくなるように、つま先に向かって傾斜、弯曲しているものが多くあるように感じます。
この状態で立ち止まっていると、重心は前方へ傾きやすく身体は前に倒れないようにするため、足指で踏ん張ったり、膝や太ももに力を入れて姿勢を支えようとします。
つまり、立っているだけで身体が緊張状態になってしまうのです。
前重心になると身体は自由に動けなくなる
前に体重が乗った姿勢では、つま先が床をつかむような状態になります。
試しに、その状態で足の指を持ち上げようとしてみてください。
身体が前に傾かないと足が浮かせられない場合、重心が前に偏っている可能性があります。
これは身体が「倒れないように支えること」を優先している状態です。
一方で、踵側に自然に体重が乗っていると、膝の力が抜け、足指も自由に動かせます。
すると、身体は必要以上に緊張することなく、バランスを取ることができます。
良い姿勢は「力を入れること」ではなく「余計な力を抜けること」
姿勢を良くしようとすると、多くの人は背中を伸ばしたり、腰に力を入れたりします。
しかし、力で作った姿勢は長く維持することができません。
大切なのは、身体の位置を整えた上で、必要のない力を抜くことです。
例えば骨盤。
骨盤を前へ押し出すようにすると、身体は前重心になりやすく、膝や足指が緊張します。
一方で、骨盤を自然に後方へ戻し、踵に体重が乗る位置を作ることで、下半身の余計な力が抜けていきます。
上半身も「固める」のではなく「柔らかく保つ」
下半身の位置が整ったら、次は上半身です。
ここでも重要なのは、胸を張って固めることではありません。
つむじを高い位置に保ちながら、みぞおち周辺は柔らかくしておく。
身体は伸びているけれど、力んでいない。
この状態が、動きやすい姿勢につながります。
姿勢とは「形」ではなく「機能」で考える
良い姿勢とは、ただ写真を撮った時に綺麗に見える姿勢ではありません。
大切なのは、その姿勢から歩く、走る、しゃがむ、動くという次の動作へスムーズにつながることです。
身体は過去の使い方の積み重ねによって変化します。
普段どの位置に重心を置いているのか。
どこに力を入れて身体を支えているのか。
その積み重ねが、現在の姿勢や動きとして表れます。
だからこそ、姿勢を変えるということは、単に形を修正することではなく、身体の使い方を再学習していくことなのです。
身体が変わる。
動きが変わる。
毎日が変わる。
良い姿勢とは、身体を自由に使うためのスタート地点です。
以下の動画はそのスタート地点に立つために必要な良い立ち姿勢を作る方法をお伝えしているレッスンの切り抜き動画です。
歩くことよりも先に、まずはよい立ち姿勢とはどの様なものかを身体で感覚的に理解するところから始めましょう!
動画の中で立位姿勢を整えるために使っている棒は『Laboo.』といいます。
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記事執筆者
堤 和也 【カラダ Design Walking創設者】【カラダ Design Lab.代表】 【理学療法士】
人が主体的に生きていく上で欠かすことのできない『運動』という共通項に対して、誰もがいくつになってもそれぞれが自分らしく生きていける身体を作り上げることのできる世の中を目指しています。